*Yutetsu Kuruma and Takuya Ueda,
The PURE system for the cell-free synthesis of membrane proteins,
Nature Protocols 10, 1328-1344 (2015).
概要: 無細胞タンパク質合成系はタンパク質合成のための試験管内ツールである。この無細胞系にリポソームなどの人工的な膜画分を加えることで、複雑な膜タンパク質複合体をも合成することができる。われわれは再構築型の無細胞系PURE systemを用いた膜タンパク質合成法と、その定量法、膜局在効率測定法、膜内配向性評価法、膜内複合体形成評価法についての実験的手順を示した。さらに、一例として、無細胞系で合成したATP合成酵素の活性評価法とその結果についても示した。この方法は、膜タンパク質の迅速な入手と詳細な解析を可能にするものであり、これまでの生きた細胞を用いた実験系による、膜タンパク質精製や再構築化のリスクを克服する利点を持つものである。