福岡創,蔡栄淑,石島秋彦,
たかがバクテリア,されどバクテリア,
実験医学 12, 3224-3227 (2017).
概要: 大腸菌に代表されるバクテリアは生物界では最も下等な生物と言われている.しかし,バクテリアも立派な生物で,外界の環境を認識する,外界の情報を体内に伝搬する,よりよい環境に進んでいく遊泳能力を持つ(持たない種もありますが..),という人工機械にはとうていまねのできない複雑なシステムを持っている.そのような複雑な機構を一つの細胞,たかだかフェムトリットルというとても小さな空間内に構成している.そのようなとても小さい空間ですので,構成するタンパク質も他の生物種に比べたらとても少ない数で機能していると言われている(メチル化・脱メチル化(システムのリセットに関わる)タンパク質は100個程度,リン酸化(情報を伝達する)タンパク質でも1,000個のオーダー).バクテリアの走化性,運動能力について理解いきたい.