Kazunori Yamamoto, *Akatsuki Kimura,
An anisotropic attraction model for the diversity and robustness of cell arrangement in nematodes.,
Development 144, 4437-4449 (2017).
概要: 私たち多細胞生物は、たった一つの細胞(受精卵)が細胞分裂で数を増やすことによって形成されます。この個体形成の過程では、細胞同士の配置関係が重要です。細胞の配置パターンは種によって多様で、一般にそれぞれ固有のパターンを持っていますが、細胞の配置パターンを決めるしくみはわかっていませんでした。本研究では、特定の種の線虫(C. elegans)の「卵の形」を変えると細胞の配置パターンが「他種の線虫のパターン」に変化することを発見しました。つまり、細胞の“容器”の役割を果たす卵の形が細胞の配置パターンに重要だったのです。また、卵の形の変化と細胞配置パターンの変化を再現する数理モデルを世界で初めて構築しました。本研究で提唱する細胞の配置パターン決定のしくみは、ヒトをはじめとする様々な生物に共通すると考えられます。 【田中求( アドバイス)】