業績リスト

A04公募(2016-17) 河野 行雄

論文等 | 原著論文

2017

Takaaki Iguchi, Takeyoshi Sugaya, and *Yukio Kawano,
Silicon-immersed terahertz plasmonic structures,
Applied Physics Letters 110, 151105-1-4 (2017).

概要: テラヘルツ照射下におけるプラズモンのダイナミクスを調べた。時間分解測定から、テラヘルツパルス照射後にプラズモン由来の信号が遅れて出現することを見いだした。また、そのフーリエ変換による周波数スペクトルからシリコン周期構造に応じた共鳴周波数を示すことが分かった。この局所的に集中しているプラズモンと、外部試料との近接的な相互作用から、大きな信号変化を取り出すことができた。

2016

Daichi Suzuki, Shunri Oda and *Yukio Kawano,
A flexible and wearable terahertz scanner,
Nature Photonics 10, 809-814 (2016).

概要: カーボンナノチューブ膜がテラヘルツ光をよく吸収することを用いて、フレキシブルなカメラを開発した。テラヘルツイメージング測定から、異種材料界面での強いテラヘルツ応答を見出した。この結果から、応答メカニズムが電子の加熱効果に基づくことがわかった。

Xiangying Deng, Shunri Oda, and *Yukio Kawano,
Frequency Selective, High Transmission Spiral Terahertz Plasmonic Antennas,
Journal of Modeling and Simulation of Antennas and Propagation​​ 2, 1-6 (2016).

概要: テラヘルツ波の波長よりも小さい微小サンプルの解析を行うには、サブ波長空間にテラヘルツ電界を集中させる必要がある。さらに、複数の周波数帯での測定が必要となる。これらの条件を満たすため、スパイラル形状のプラズモニック構造を新規に提案した。電磁界シミュレーションの結果から、スパイラルの形状によって任意に周波数帯域を設定できることを示した。



論文等 | 総説解説

2016

*河野行雄,
チップ型近接場テラヘルツ分光イメージャーと量子伝導研究への応用,
表面科学 37, 586-592 (2016).

概要: 近接場イメージング計測を用いた、周波数選択可能な、コレクションモード型テラヘルツナノイメージングを開発した。この手法を用いて、半導体量子伝導の可視化、特に電子注入機構の解明を行った。さらなる発展として、半導体の代わりにグラフェンを用いることで、周波数帯域が格段に向上することを示した。

*河野行雄、*瀧田佑馬,
THz分光測定のコツ,
応用物理 85, 428-432 (2016).

概要: テラヘルツ領域の分光測定は、新たな物質解析の手法として認知されつつあるが、他周波数帯に比べて成熟していないため、十分にノウハウが浸透していない。本論文では、実際に使用するユーザー向けに、一般的な注意点や測定のコツについて解説した。

*Yukio Kawano,
Chip-Based Near-Field Terahertz Microscopy,
IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology 6, 356-364 (2016).

概要: テラヘルツ波の波長は数百マイクロメーターのスケールであるため、そのままではナノスケールの計測に使用できない。本研究では、近接場イメージング計測を用いた、テラヘルツナノイメージングを開発した。微小半導体センサを高精度にスキャンする機構を創出し、半導体量子素子における近接場テラヘルツ発光イメージングを達成した。



国際会議発表

2017

Oral (contributed)

Toshio Sugaya, Takashi Iguchi, and Yukio kawano,
Resonant Frequency Tuning and Transmission Enhancement of Terahertz Plasmonic Antenna by Dielectric Engineering,
42nd International Conference on Infrared, Millimeter and Terahertz Waves (Aug. 27 – Sep. 1, 2017), Cancún, México.

Invited

*Xiangying Deng, Shunri Oda, and Yukio Kawano,
Spiral Bull’s Eye Structure for Multi-frequency High-transmission Plasmonic Antenna,
5th Advanced Electromagnetics Symposium (Jul. 26-28, 2017), Incheon, Korea.


2016

Invited

*Yukio Kawano,
Nanoscale Terahertz Sensing and Imaging with Graphene and Arrayed Carbon Nanotubes,
4th Advanced Electromagnetics Symposium (Jul. 26-28, 2016), Malaga, Spain.

*Yukio Kawano,
Near-field frequency-selective terahertz imaging utilizing graphene and carbon nanotubes,
SPIE DCS (Apr. 17-21, 2016), Baltimore, MD, USA.




特許

2016

河野行雄,シャインデング,井口崇
「プラズモニックアンテナ、プラズモニックアンテナの製造方法および検出装置」
2016-153599(特願・日本)

河野行雄,鈴木大地
「テラヘルツ波検出装置およびアレーセンサ」
2016-091298(特願・日本)

新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」