研究項目
計画研究 A01 基礎班
A01-002 非平衡量子系の輸送ダイナミクス |
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研究概要近年の微細加工技術の進展により、我々は、コヒーレントな電気伝導が支配的であるような極小の固体量子素子を作製できるようになった。このような固体量子素子は、電圧によって平衡状態から極端な非平衡状態までを連続的に制御することが可能であり、非平衡量子系を定量的に取り扱うことのできる理想的な舞台の一つとなっている。本研究では、そのような素子において生成される非平衡状態のダイナミクスを定量的に取り扱う方法論を開拓する。代表者らが開発した非平衡電流ゆらぎ測定法を様々な量子素子に適用し、量子系におけるゆらぎの定理の精密な検証とその有用性を確立する。量子系を舞台とするこのような研究は、未だ理解が不十分な非平衡多体系をより定量的に議論することを可能にするばかりではなく、量子測定理論と統計物理の融合につながる可能性を持つ。 |
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研究分担者齊藤 圭司 SAITO, Keiji 慶応義塾大学 理工学部 |
研究分担者沙川 貴大 SAGAWA, Takahiro 東京大学 大学院工学系研究科 |