研究項目

計画研究 A01 基礎班

A01-004 ガラスにおける遅いゆらぎのダイナミクスと隠れた秩序

研究代表者

宮崎 州正  MIYAZAKI, Kunimasa

名古屋大学 大学院理学研究科 教授
URL : http://www.r.phys.nagoya-u.ac.jp/index-j.shtml

研究概要

私たちの研究のテーマは、液体のガラス転移や粉体のジャミング転移である。この二つの転移は、ともに構成粒子が低温ないし高密度で、ランダムな粒子配置のまま凍結する現象である。窓ガラスだけでなく、さまざまな高密度のコロイドなど、ソフトマターも、ランダムな粒子配置と流れにくさを持っている点で、ガラス的物質と言える。では自由に流れる状態と、流れなくなった状態を分け隔てる決定的な違いは何だろう。普通の液体と固体であれば、それは結晶秩序、即ち規則性の有無である。ガラスの場合にも、「ランダムな秩序」ともいうべき我々が未だ知らない規則性が隠れているのだろうか。ミクロなランダムさがどのようにマクロな固体らしさ(あるいは液体らしさ)に結びつくのだろうか。我々は、ミクロとマクロの中間のメソスケールの揺らぎが示す階層構造に注目し、シミュレーションや理論解析を用いてこの素朴な疑問を解明していく。

研究分担者

吉野 元 YOSHINO, Hajime

大阪大学 サイバーメディアセンター
准教授

エマルションのジャミング状態における粒子配置と応力パターン(数値シミュレーション):赤線の太さは粒子間に働く力の大きさを表わしている。
新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」