研究項目

公募研究 A01(2016-2017) 基礎班

ゲージ・重力対応を用いた非平衡物理学への新アプローチ

研究代表者

中村 真  NAKAMURA, Shin

中央大学 理工学部 教授
URL : http://www.phys.chuo-u.ac.jp/labs/nakamura/index.html

研究概要

本研究では、超弦理論で提唱された「ゲージ・重力対応(AdS/CFT対応)」を非平衡系の物理学に応用する。ゲージ・重力対応とは、強結合量子ゲージ理論と古典的重力理論の等価性であり、ゲージ理論の熱力学がブラックホール時空の性質で記述されるように、ゲージ理論のマクロな物理量が重力理論側の運動方程式を解くことで得られる。本研究では、ブラックホールで構成した平衡系に外力を加えて非平衡にドライブし、線形応答を超えた領域での非平衡系の物理的性質を精査していく。特に、非平衡相転移と臨界現象、非平衡定常系の揺らぎとマクロ変数が従う普遍的法則、不規則ポテンシャルが存在する系における非平衡現象について、重力側の視点から明らかにしていく予定である。

新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」