研究項目

公募研究 A03(2016-2017) 機能班

バクテリア巨大渦状運動の極性形成メカニズム

研究代表者

西坂 崇之  NISHIZAKA, Takayuki

学習院大学 理学部 教授
URL : http://www.gakushuin.ac.jp/univ/sci/phys/nishizaka/lab/index.html

研究概要

微小生物は自身の最適な環境を探すために運動する能力を持ちます。その運動装置や様式は多岐にわたり、生物学のみならず、生物物理や進化の視点からも重要なトピックとなっています。本課題では、①分子レベルでのモーターの駆動メカニズムと、②バクテリアの集団が生み出す特徴的な振舞いについて、独自の光学顕微鏡技術を駆使して明らかにしていきます。
モーターとして注目しているのは2つの回転モーターであり、世界最小の回転モーターであるF1-ATPaseと、アーキア(archaea、古細菌もしくは始原菌)のべん毛モーターです。どちらもATP駆動ですが、その構造も特徴もまったく異なり、特に後者は科学史における未踏の領域とされています。
集団運動では、フラボバクテリウム・ジョンソニエという細菌が対象です。我々の研究グループは、ミクロンオーダーの大きさの個体がミリスケールの渦を自発的に形成し、しかもその渦は「例外なく」左回りに回転することを発見しました。生物の自発的な集団運動は、物理学の分野においても重要課題の1つです。この現象の本質を解明すべく、理論・実験の両側面から多彩なアプローチを展開します。

連携研究者

大岩 和弘 OIWA, Kazuhiro
情報通信研究機構 未来ICT研究所 主管研究員
中根 大介 NAKANE, Daisuke
学習院大学 理学部 助教
新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」