研究項目

公募研究 A03(2016-2017) 機能班

高分子溶液を内包したベシクルの外部揺動に伴う内部粘弾性と形の揺らぎ

研究代表者

柳澤 実穂  YANAGISAWA, Miho

東京農工大学 大学院工学研究院 特任准教授
URL : https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/yanagisawa-lab/

研究概要

細胞の大部分を占める細胞質は、細胞骨格と同様、粘弾性流体である。それゆえ、細胞が示す膜のチューブ状突出や部分陥入の発生に潜む機構を理解するためには、細胞骨格だけでなく細胞質と膜の粘弾性的性質の相関を考慮しなくてはならない。我々は、高粘性流体である高分子溶液を内包した細胞膜モデル(リポソーム)を脱水条件に置くと、内部粘性に依存して膜のチューブ状突出が現れることを見出している。生物の膜変形が様々なゆらぎのもとで生じていることを考えると、ゆらぎと内部状態、膜変形の相関がより鮮明に描かれることが期待される。そこで本研究では、高分子溶液を内包したベシクルに様々な揺動を与え、膜と高分子の相関により現れる非平衡構造を解析することで、生命の形態形成原理を司る物理的機構に迫る。

新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」