研究項目
公募研究 A04(2016-2017) 融合班
光の射す方へ:微生物の動線をつくる流体力学 |
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研究代表者和田 浩史 WADA, Hirofumi 立命館大学 理工学部 教授
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研究概要本計画では、Volvox rousseletiiにかんする実験報告[N. Ueki, et al BMC Biol. (2010)] を軸として、緑藻が示す走光性の仕組みについて理論的な手段をもちいて調べる。走光性とは、生物が光へ向かうまたは光を回避する行動を指し、その仕組みは多岐にわたる。緑藻類の走光性は、環境の物理パラメータの変化をインプットとして情報処理し、流体力学的なアウトプットを行う自律分散システムと捉えることができる。我々は鞭毛運動によるボルボックス体表面の流れ場の構造から推進力や回転トルクを計算し、走光性における3次元的な軌道モデルを構築する。緑藻類では、種や進化の程度に応じて光刺激に対する鞭毛運動の応答の仕方が異なっており、たとえばV.carteriは停止型、V. rousseletiiは逆転型の応答を示す。鞭毛応答が適応的な走光性に及ぼす影響を軌道モデルにもとづいて系統的に比較研究し、その最適性や進化的な視点からの考察を行う。また光受容と鞭毛応答における細胞間のばらつきやゆらぎの果たす役割、ノイズへの耐性をもつ仕組み、などを軌道モデルにもとに調べていく。 |
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連携研究者
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