研究項目

複合化ベシクルによる非平衡細胞モデル系

研究概要

細胞は、脂質膜から成る「器」によりユニット構造を維持し、外的・内的な刺激によりダイナミックにその構造を変化させる。すなわち、細胞システムとは、構成分子の反応と「器」である膜ダイナミクスが有機的に結合した動的構造体である。生命システムの物理学的本質に迫るには、膜系をベースとした複合ソフトマターの非平衡ダイナミクスを理解することが必要である。本研究では、ベシクル膜系の構造設計・機能制御に関するこれまでの知見を基に、DNAやコロイド、細胞骨格タンパク質を含む「複合化ベシクル」を設計し、非平衡環境下での動的な細胞モデルシステムを構築する。細胞サイズ空間で原始的な動態機能が創発される物理原理を解明し、複合ソフトマター系の「非平衡ゆらぎ」と「構造」との普遍法則を探求する。