研究項目
公募研究 A04(2014-2015) 融合班
負の相関に起因する異常拡散現象とその周辺 |
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研究代表者坂上 貴洋 SAKAUE, Takahiro 九州大学 大学院理学研究院 助教
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研究概要一分子レベルの観測技術の発達に伴い、生体内をはじめとした複雑な階層構造を持った系では、平均二乗変位が時間に比例しない「異常な拡散現象」が数多く報告されてきている。このことは、そのような複雑系では、通常の意味での中心極限定理は破綻しており、ミクロとマクロの間に位置する中間階層(メソスケール)において豊かな動的現象が潜んでいることを示唆している。本研究では、高分子を代表とする「多数の要素が連結した系」において一般的に重要となることが期待される「負の相関」の効果に注目し、それにより引き起こされる異常拡散をはじめとした動力学現象の探究を行う。染色体上の遺伝子座の揺らぎや、膜面の内部モード、揺らぐ界面の応答などの具体例を念頭に置き、多重の時間スケールが混在する多階層系におけるダイナミクスと機能発現を、多数の要素の織り成す協調現象として捉えていく。 |
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連携研究者 |
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