研究項目

公募研究 A04(2014-2015) 融合班

直接数値計算を用いたモデル微生物の動的性質に関する理学的研究

研究代表者

山本 量一  YAMAMOTO, Ryoichi

京都大学 大学院工学研究科 教授
URL : http://www-tph.cheme.kyoto-u.ac.jp

研究概要

水中を泳動する微生物は、紐状の鞭毛や表面に生えた繊毛によって水中を自己推進するが、これは船や飛行機などの人工物はもちろん、魚類や昆虫などとも全く異なるメカニズムに基づいている(図(b))。近年、泳動する微生物に対する力学的・物理学的アプローチの研究が国際的に大きな注目を集めているが、ようやく微生物の単体運動に関する理解に手が届き始めたところに過ぎない。非平衡ダイナミクスの実例としてより重要で、現象の変化にも富んだそれらの集団運動については、理解が全く進んでいないのが現状である。例えば、水中に分散する微生物が生きている場合と死んでいる場合とでは、その分散液体の粘度という巨視的な物性に顕著な差が生じことが知られているが(図(a))、そのメカニズムは未解決のままである。これはこの分野の理論的手法が未熟であることに主な原因があり、ソフトマターで成功した新しい手法を導入することで大きなブレークスルーが期待できる。

連携研究者

谷口 貴志 TANIGUCHI, Takashi
京都大学 大学院工学研究科 准教授
MOLINA, John J.
京都大学 大学院工学研究科 助教
新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」