研究項目

公募研究 A01(2016-2017) 基礎班

高速量子プローブを用いた微小系の電子輸送ゆらぎの研究

研究代表者

大塚 朋廣  OTSUKA, Tomohiro

理化学研究所 創発物性科学研究センター 研究員
URL : http://tomootsuka.net

研究概要

半導体微細加工技術の進歩により、単電子効果や量子効果が現れる微小な系を人工的に作製し、そのミクロな特性を電気測定で明らかにすることが可能となっている。この人工微小系は各種パラメータを人為的に操作し、系統的に非平衡状態を作り出すことができ、さらに微小系では電流ゆらぎの出現が本質的となるため、非平衡系のゆらぎに関する現象を定量的に調べる上での理想的な実験系となっている。一方近年、人工微小系の電気測定において革新技術が開発され、単一電子電荷を従来とは桁違いに高速で読み出すことが可能となっている。そこで本研究では、微小デバイスにおける非平衡系の電子輸送のゆらぎについて、この新技術を用いた高速量子プローブを使って測定し、これまで実験では不可能であった時間スケール、および測定パラメータ下でのゆらぎの測定を実施し、新しい知見を得る。

新学術領域研究「ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立」