研究項目
公募研究 A04(2014-2015) 融合班
「ゆらぎと構造の協奏」から見た量子乱流 |
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研究代表者坪田 誠 TSUBOTA, Makoto 大阪市立大学 大学院理学研究科 教授
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研究概要低温物理学における重要テーマの一つである量子乱流を、非線形・非平衡物理学の観点から、理論的および数値的に研究する。舞台となる系は、原子気体ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)および超流動ヘリウムである。第1に、複数の秩序変数を持つ多成分BECの量子乱流を研究する。スピノールBECのスピン乱流では、エネルギースペクトルは-7/3という特異なべき則に従い,スピンは空間的に乱れながらも時間的に凍結し、スピングラス的な挙動を示すことを我々は見いだした。こうしたゆらぎがどのようにして乱流構造を作るのかを調べる。また2成分BECで生じる2成分量子乱流(二つの量子乱流が空間的に共存し、かつ相互作用した系)における量子渦と乱流構造の関係を明らかにする。これらの研究では、量子乱流を特徴づける秩序変数の同定を目指す。第2に、非平衡臨界現象の観点から量子乱流の普遍則を調べる。これら全ての研究において、実験との対応を考える。 |
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